ボカロ曲『ラプンツェル/ナブナ』 歌詞解釈の詳しい解説♪
歌の解釈は人それぞれでいいと僕は思っています。でも、他の人がどんな風に解釈しているのか気になる方は是非読んでみてください!
全文解釈はカテゴリトップページに譲ります。ここでは、解釈の解説をば!
はじめに
ボカロ曲『ラプンツェル/ナブナ』の歌詞は、切なく物悲しい音楽にのせて印象的で特異な表現の多い、難解なものとなっています。
シーンはイメージできるものの、全体を通しての意味が掴み切れないもどかしさを感じる良曲です。≪オナホマスター≫もカラオケで良く歌います!
あるサイトのコメントでは「スルメ曲(噛めば噛むほど味が出る)」と評されていましたが、その通りだと思います。
是非、あなたにも味わっていただきたく思いますので、以下では、言葉やタイトル、歌詞のキーワードから全体の意味を詳しく分析していきます。
詳しい分、少し長いので、手っ取り早く、意味が知りたい方は、トップページをご覧ください♪
「ラプンツェル」というタイトルから分かること
この童話の教訓は『不義の恋愛(逢瀬)の禁止』
ラプンツェルは、グリム童話の1つです。
あらすじについては以下にウィキペディアを引用しますが、この童話の教訓は「不義の恋愛(逢瀬)の禁止」です。
初版では主人公が夜ごと王子を部屋に招き入れて逢瀬を重ね、結果として妊娠。それがばれてしまったため放逐されたプロセスを詳細に書いている。
あらすじ
あるところに夫婦がいた。長年子供がなかった2人だが、ある時やっと子供を授かる。妊娠した妻は隣に住むゴーテルという魔法使いの庭のラプンツェルを食べたくてたまらなくなる。食が細ってやつれた妻に「ラプンツェルが食べられなければ死んでしまう」と懇願された夫は、妻と生まれる子のために魔法使いの敷地に忍び込むとラプンツェルを摘み取りにかかるが、魔法使いに見つかってしまう。しかし夫から事情を聞いた魔法使いは、好きなだけラプンツェルを摘んでもいいが、子供が生まれたら自分に渡せと言う。
やがて妻が生んだ女の子は、即座に魔女に連れて行かれる。ラプンツェルと名付けられた娘は、森の中に築かれた入り口のない高い塔に閉じ込められる。魔法使いはラプンツェルの見事な長い金髪をはしご代わりに、窓から出入りしていた。そんなある日、森の中を歩いていた王子が美しい歌声に引かれ、塔の中に閉じこめられたラプンツェルを発見。魔法使いと同じ方法を使って塔に登る。はじめて男性との性交渉を知ったラプンツェルは驚くが、やがて愛し合い、魔法使いに隠れて夜ごと王子を部屋に招き入れて頻繁に性交を行う。その結果ラプンツェルは妊娠する。(初版)
その事実を知って激怒した魔法使いはラプンツェルの髪を切り落とし、荒野へと放逐する。一方、何も知らずラプンツェルを訪ねてきた王子は待ち受けていた魔法使いから罵られる中で全ての顛末を知って絶望し、塔から身を投げて失明する。
7年後、盲目のまま森をさまよっていた王子は、男女の双子と暮らしているラプンツェルとめぐり会う。うれし泣きするラプンツェルの涙が王子の目に落ち、王子は視力を回復する。王子はラプンツェルと子供たちを伴って国に帰り、皆で幸せに暮らす。
ウィキペディア
初版の物語では、魔女はなんの罰も受けていません。罰を受けたのは、保護者に黙って恋愛(性行為)をしたラプンツェルと王子だけです。
だからこそ、この童話が最も伝えたいことは、「不義の恋愛(逢瀬)の禁止」なのです。
ナブナさんが『ラプンツェル』に込めた意味
グリム童話の意味を理解した上で、タイトルから考えられるのは、以下のパターンかと思います。
1.童話の登場人物の歌
2.不義の恋愛の歌
2.不義の恋愛の歌
1については、間奏部分で否定されます。
>空いた灰皿やビールの缶
これは王子様やお姫様が登場する物語ではなく、缶がある現代が舞台であることを示しています。
そこで、童話の登場人物ではなく、現代で不義の恋愛を指すタイトルと分かります。
童話に準拠すれば、不義の恋愛とは保護者の許可を得ない恋愛かと思われますが、恋愛の自由化が進んだ現代で、ビールが飲める成人で、親の許可を得ない恋愛が”罪”となることに違和感があります。
そこで、不義の解釈を現代においても禁忌とされる(違法性のある)部分に拡張すると不倫、をしていることが想定できます。
その点から、歌詞を眺めると…
>さよならを僕らは言わなくちゃ
とあり、駆け落ちをするという選択肢はないことが分かります。
成人している男女であれば、現代なら親の許可なく、駆け落ちをすれば、合法的に結婚できます。
>罪・罰
という表現とも、矛盾します。親の許可を得ない恋愛は、罪ではありません。
しかし、上記2つの表現は、不倫をしていると考えてみると、意味が通ります。
不倫は違法行為になりますから、罪という表現も良く分かります。
違法だからこそ、『さよならを僕らは言わなくちゃ』となるわけです。
『ラプンツェル/ナブナ』は不義の恋愛、特に、不倫関係を主題にした歌である。
⇒ 登場人物、時制の分析に続く。