『海色（みいろ）』は非常に難解。ですが、意味はあります。
■はじめに。
艦これOPの『海色（みいろ）』は非常に難解な歌詞となっています。
その理由は以下となります。
・ときおり、私とあなたという主語が逆転していること。
・過去と現在が交錯しており、時系列が追いにくいこと。
しかし、丁寧に読み解いていくことで、
一貫した意味が通じる歌詞となっています！
それが理解できると、きっと胸に込み上げる感慨があるはずです！
是非、歌詞の意味を理解して、
『海色（みいろ）』の世界をより深く感じてください！
※この解釈はあくまで独自解釈です。僕は、色んな人が自分自身なりの解釈をして、楽しめばいいと思っています。でも、矛盾ない説明を知りたいとか、他の人がどう解釈しているのかを知りたいと思うのであれば、是非、読んでみてください！
■目次■
■概要
■歌詞
■全文解釈
■主な解釈のヒント
■『海色（みいろ）』歌詞ストーリー概要
ある日、現代を生きる艦娘（A）と
過去の海戦(Xデー)で戦死した艦娘（B）は
夢の中で交信できるようになる。
Aが夜眠ると、夢の中で、
過去の艦娘Bの中に入り、
Bに声を届けることができ、
反対に、
Bが夜眠ると、夢の中で、
未来の艦娘Aの中に入り、
声を届けることができるようになった。
まだ、過去の艦娘Bにとって、
史実の艦娘B’戦死した海戦（Xデー）は未来のこと。
AとBはお互いに意識を行き来させながら、
Bが戦死する運命を変えようとする。
しかし、Xデーは訪れ、
運命を変えることはできず、Bは戦死してしまう。
最後の瞬間、艦娘Bは、
史実の戦死したB’と自分は、実は違うことを悟る。
たった一人、誰にも知られず沈んだB’と違って、
艦娘（A）の記憶の中に自分は残り、
背中を押すことができるのだから。
生きた証を残すかのように、BはAに
「あなたのために死ぬのだから後悔はないわ。
私の死を乗り越て、前に進むのよ」
と言い残し、海の底へ沈む。
目覚めたAは、涙で滲んで眩しい朝日を浴び、
これからも戦い続けることを誓う。
fin
■『海色（みいろ）』の歌詞
１、朝の光 眩しくて
２、Weigh Anchor!
３、言葉もなくて
４、ただ波の音 聞いてた
５、記憶の意味 試されている みたいに
６、闇の中でも思い出す
７、前に進むの
８、見ていてよ
９、So repeatedly, we wont regret to them
１０、そんな風にも考えていたの
１１、憧れ 抜錨 未来
１２、絶望 喪失 別離
１３、幾つもの哀しみと海を超え
１４、たとえ――
１５、世界のすべてが海色に溶けても きっと
１６、あなたの声がする
１７、大丈夫 還ろうって
１８、でも
１９、世界が全て反転しているのなら
２０、それでもあなたと
２１、真っ直ぐに 前を見てて
２２、今 願い込めた 一撃 爆ぜた
２３、She was splendid like our flagship
２４、But its all in the past
２５、She never gave up the hope even till the end
２６、Only the sea knows だから
２７、塗り潰されても忘れない
２８、こじ開けるの
２９、見ていてよ
３０、So foolish, dont repeat the tragedy
３１、そんな言葉にすがりはしない
３２、煌き 青空 希望
３３、敗北 水底 眠り
３４、幾つもの涙の海を超え
３５、たとえ――
３６、私の全てが過去に消えても ずっと
３７、きっと 共にあるって
３８、いつの日か 変われるって
３９、でも
４０、私が全て幻だとしたら そう
４１、それでもあなたと
４２、奇跡のよう この時代に
４３、今 祈り込めた 一撃 響け
４４、世界の全てが海色に消えても
４５、あなたを忘れない
４６、世界の全てが海色に溶けても
４７、私が探しだす
４８、大丈夫 還ろうって でも
４９、大丈夫 変われるって 今
５０、進むのよ やれるって まだ
５１、全部嘘 これで終わり 違う!
５２、今――
５３、私の全てが海色に溶けても
５４、深みへ落ちていく
５５、そして
５６、記憶の全てが海色になって
５７、光に消えていく
５８、たとえ――
５９、世界の全てが海色に溶けても きっと
６０、あなたの声がする
６１、大丈夫 還ろうって
６２、でも
６３、大切なあなたが生まれてくるなら そう
６４、私は歩き出せる
６５、最後にね この願い
６６、今乗り越え 未来へと Weigh Anchor!
■全文解釈
主要な登場人物
艦娘ミライ：現代に生きる艦娘
艦娘カコ：過去に戦死した艦娘。戦死する前のカコとミライが夢の中で交信している。
※歌詞中の”私”、”あなた”が一貫しないため、発話者は色で分けます。
１、朝の光 眩しくて
２、Weigh Anchor!
「私の死を乗り超えて、前を向いて進むのよ。Weigh Anchor!」
という声を最後にあたしは目覚める。
目に浮かぶ涙に滲んだ朝の光は、殊更に眩しく感じた。
カコの最後の言葉、カコとの記憶を思い出しながら、
これからも戦い続ける！とをあたしは誓う。
３、言葉もなくて
４、ただ波の音 聞いてた
５、記憶の意味 試されている みたいに
もう、カコの声は聞こえない。
桟橋に座って、あたしはただ波の音を聞いていた。
あたししか知らない、カコとの記憶、カコの末期の言葉。
その記憶がある意味を、試されているみたいに
６、闇の中でも思い出す
７、前に進むの
８、見ていてよ
目を閉じてカコとの記憶を思い出す。
「前を向いて進むのよ」
その言葉があたしを支えている。
だから、前に進むの。
どこかできっと、見ていてよね！
９、So repeatedly, we wont regret to them
１０、そんな風にも考えていたの
だから繰り返し、あたしたちは絶対に、戦死した娘たちを後悔しないって。
それはお題目なだけじゃなくて、
全ての戦闘とみんなの死に意味はあったんだって、
心からそんな風にも考えていたの。
１１、憧れ 抜錨 未来
１２、絶望 喪失 別離
１３、幾つもの哀しみと海を超え
憧れ 抜錨 未来
絶望 喪失 別離
長きに渡る戦争で生まれた幾つもの哀しみの歴史を超えて
艦娘ミライ
「あたしはカコと繋がったの」
艦娘カコ
「私はミライと繋がったわ」
１４、たとえ――
たとえ、たとえ私が戦いに倒れ
１５、世界のすべてが海色に溶けても きっと
１６、あなたの声がする
１７、大丈夫 還ろうって
１８、でも
私の全てが海に帰っても、
きっとミライの声が聞こえるのでしょうね。
「大丈夫、帰還できる」って。
でも
１９、世界が全て反転しているのなら
２０、それでもあなたと
２１、真っ直ぐに 前を見てて
２２、今 願い込めた 一撃 爆ぜた
時間の流れが反転して、死ぬまで私の史実が分かるとしても
それでも、あなたと、まっすぐに、今だ実現していない
史実の歴史じゃない、この私自身の未来を見ていて
今、生還の願いを込めた一撃が爆ぜた。
２３、She was splendid like our flagship
２４、But its all in the past
２５、She never gave up the hope even till the end
２６、Only the sea knows だから
彼女はあたしたちの旗艦のように見事だった。
でも、それらは-彼女の見事さも、彼女が死んだ戦いも-全て過去のこと。
彼女は最後と一瞬まで、決して希望を諦めなかった。
ただ海だけが、そのことを知っている。
だから―
２７、塗り潰されても忘れない
２８、こじ開けるの
２９、見ていてよ
時間の流れの中であなたが忘れられてしまっても忘れない。
記憶の扉をこじ開けて、絶対にあたしは忘れない。
だから、あたしのことを見ていてよね。
３０、So foolish, dont repeat the tragedy
３１、そんな言葉にすがりはしない
愚か者の言う、「悲劇を繰り返してはならない」
そんな言葉に縋り、戦いを放棄したりしない。
３２、煌き 青空 希望
３３、敗北 水底 眠り
３４、幾つもの涙の海を超え
煌き 青空 希望
敗北 水底 眠り
長きに渡る戦争で生まれた幾つもの幾つもの涙の海を超えて
あたしたちは繋がっているの（私たちは繋がっているわ）
３５、たとえ――
たとえ
３６、私の全てが過去に消えても ずっと
３７、きっと 共にあるって
３８、いつの日か 変われるって
３９、でも
史実の私は死に、全てが歴史の中に消えていった事実があっても
今生きている、この私はずっと、きっと、あなたの中で生きつづけていくって、
いつの日にか、死んだ史実の私と今の私は違う存在になって生き残るって、そう願ってるわ。
でも
４０、私が全て幻だとしたら そう
４１、それでもあなたと
４２、奇跡のよう この時代に
４３、今 祈り込めた 一撃 響け
でも、もしこの私が、史実の私をトレースするだけの幻のような存在だとしたら
そうね
そうだったとしても、奇跡のように、
あなたを通して現代に存在できる。
今 私の時代も、あなたの時代でも、
変わらぬ平和への祈りを込めた一撃 響け。
４４、世界の全てが海色に消えても
４５、あなたを忘れない
私が死んで全てが海の中に消えても
あなたを忘れはしない
４６、世界の全てが海色に溶けても
４７、私が探しだす
あなたの全てが海に溶けてしまっても
私があなたのことを探し出す
４８、大丈夫 還ろうって でも
４９、大丈夫 変われるって 今
５０、進むのよ やれるって まだ
５１、全部嘘 これで終わり 違う!
大丈夫だから、帰還しようって
でも、もう助かりそうにないわよ。
大丈夫、史実のあなたと今のあなたは違う！
変われるって、今！
進むのよ、進んでよ。
どうにかなるって、まだ。
帰れる、変われる、どうにかなるなんて、
全部嘘になっちゃったね。
史実の私と同じく、私も、ここで終わり。
･･･違う。
私は事実の私とは違う！
史実の私は誰にも知られず、一人で死んだ。
今の私は、あなたに気持ちを伝え、願いを託すことができる！
５２、今――
最後の瞬間―
５３、私の全てが海色に溶けても
５４、深みへ落ちていく
５５、そして
私の全てが海に溶けていく。
でも、意識だけが深くに沈んでいく
そして
５６、記憶の全てが海色になって
５７、光に消えていく
記憶の全てが海に還って
光の中に消えていく
５８、たとえ――
５９、世界の全てが海色に溶けても きっと
６０、あなたの声がする
６１、大丈夫 還ろうって
６２、でも
たとえ―
私が戦いに倒れ、海に溶けていったとしても
きっとあなたの声が聞こえるのでしょうね。
「大丈夫、帰還できる」って。
でも
６３、大切なあなたが生まれてくるなら そう
６４、私は歩き出せる
６５、最後にね この願い
６６、今乗り越え 未来へと Weigh Anchor!
私が命を賭して守った未来で、
大切なあなたが生まれてくるのなら
そうね。
私は死んで消えていくことに後悔はないわ。
だから、最後にこのお願いをあなたに。
「私の死を乗り超えて、前を向いて進むのよ。Weigh Anchor!」
冒頭に続く。
fin
■主な解釈のヒント
時系列が過去と未来で分かれている根拠
＞６３、大切なあなたが生まれてくるなら そう
将来生まれるあなたを知っている私という表現から、
超常現象により、時空を超越していると分かります。
更なる詳細は以下の記事で。